ビジネスオーナーなら知っておきたいマーケティングの基礎知識(1)
2014.08.04
マーケティング
ここ数年、ブログやSNSの普及により美容室や居酒屋、病院などでも積極的にそれらのツールを取り入れたり運用をされているのを目にしますが、それが実は「マーケティング活動」であると認識して運用されている方はあまり多くないのではないかと思います。
WEBマーケティングやデジタルマーケティングという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、それらの活動は一部の大企業だけが行っているわけではありません。
ホームページやSNSの運用をして集客をしたり、お客さんとの接点を持つことはマーケティング活動そのものです。
そしてもし、マーケティングの知識があれば、今自分が行っているサイトの運用は何のためか?今後どうすべきか?ということが少しづつ具体的に見えてきたりするはずです。
と、偉そうなことを書きましたが僕もまだまだマーケティングについて勉強中なので、基礎からの振り返りという意味でもマーケティングの事を少しずつ記事にしていきたいと思います。
そもそもマーケティングとは
マーケティングと聞くと商品やサービスの宣伝部分だけの事だと想像しがちですが、実はもっと上流工程である商品やサービスの企画段階から既にマーケティング活動は始まっています。
ウィキペディアには以下のように書かれています。
企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。
ということは、お客さんの求める商品を作ることも、宣伝などにより商品について知ってもらうことも、商品を実際に買ってもらうことも全てひっくるめてマーケティングと言えます。
「顧客」と「消費者」とマーケティングの目的
このへんの用語については本やサイトによっても定義がまちまちですが、とりあえず自分の中では以下のように解釈しております。
顧客(Customer)とは
既に自社のサービスや商品の利用経験、購買経験がある人。
消費者(Consumer)とは
対象となるサービスや商品を消費したことがあるか、消費してくれそうな人。
駅前の居酒屋で例えると、その駅を日常的に利用して通勤をしているサラリーマンやOLさん、近所に住む主婦やシニア層なども消費者に入ります。さらに言うと、知名度が高いお店の場合は遠方からわざわざ足を運ぶ可能性があるので、そうした人たちも消費者と言えます。
しかし、未成年は居酒屋の顧客にはなり得ないので、消費者とは言えないでしょう。
マーケティングの目的
マーケティングの目的は、消費者と呼ばれる「不確定な見込客」を「顧客」へと引き上げること、そして「顧客」を増加・維持していくことです。
単にお客さんを増やせばいいのではなく、その後も継続的な関係を築かなくてはなりません。
ニーズとウォンツ
「顧客ニーズ」という言葉をよく聞いたりするかと思います。
ニーズ=Needsでなんとなく意味は分かるかと重いますが、実はニーズによく似た言葉で「ウォンツ」というのもあります。
ニーズとは
消費者が生活する上で生じる「抽象的な欲求」、または「満たされない状態」のこと。
たとえば「お腹が空いた」とか「健康になりたい」とか。
ただし、マーケティングにおいては「潜在的ニーズ(消費者自身がまだ気づいていないニーズ)」を指す事が多い。
ウォンツとは
ニーズを満たす為の「顕在的な欲求」。
たとえば、「あの店のカレーライスが食べたい」とか「毎朝ランニングがしたい」とか。
「ニーズ」をより具体的にしたものが「ウォンツ」というわけです。(たぶん)
ニーズを見つけることが重要である
商品やサービスは常に顧客のニーズを満たすものでなくてはいけません。
しかし現代社会においては、顕在化された消費者ニーズを満たす為の商品やサービスが既に溢れてしまっているので、むしろ消費者自身が気づいていない潜在的なニーズを掘り起こして顕在化することが、長期的な顧客との関係性や新しいビジネスチャンスを生む第一歩となります。
WEBサイトのコンテンツも消費者ニーズをもとに作る
ここで、WEB制作に関わる者として、サイトの集客施策の基本的な考え方についても少し言及したいと思います。
普段インターネットを使用する時って、どんな時でしょう?
何らかの疑問を解決したいという欲求(ニーズ)がもとになることが多いかと思います。
例えば田舎の実家からりんごが大量に送られてきて、消費しきれず困っていたとします。そこで、長期保存できるようにジャムにしてしまおうと考えましたが、ジャムの作り方が分かりません。この時に「リンゴジャムを作りたい」というニーズが生まれます。
ホームページで集客を狙う場合、こういったニーズをもとにコンテンツを作る事が非常に重要となります。
ターゲットとなる消費者層の抱える悩みや課題を考え、それらの消費者はインターネット上でどのような行動を取るのかを予測し、課題解決へと導きます。
したがって、集客の為のコンテンツとは消費者が持つ課題を解決するためのものでなくてはなりません。
しかし、こうした「消費者目線」のコンテンツ制作がなかなか実践できていない場面をよく目にします。そのほとんどは「消費者が知りたいこと」よりも「自社が伝えたいこと」が優先してしまっているケースです。
「自社が伝えたいこと」は必ずしも「消費者が知りたいこと」と一致するとは限りませんし、さらに言うと、消費者が知りたいことが全く載ってないコンテンツは、消費者にとって見る価値の無いコンテンツであるため、当然、検索でも上位に上げることは難しくなります。たとえ上位に上がったとしても検索者自身が期待していた内容と異なると判断されれば、すぐにサイトを離れてしまうことでしょう。
もし、自社サイトへの検索エンジンからの流入を増やしたい場合は、まずは自社サイトのコンテンツが「消費者が知りたいこと」にしっかりマッチしているか「消費者目線」で見なおしてみましょう。